SSブログ

ジ・アート・オブ・アルド・チッコリーニ第2夜♪ [Impressions de recital ♪]

3月26日はいよいよすみだトリフォニーでチッコリーニ氏の
ピアノコンチェルトを聴く夜。
プログラムはシューマン&ラフマニノフの2番という
数あるピアノ協奏曲の中でも名曲中の名曲です。

2000人近い収容人数の大ホールはほぼ満席でした。
オーケストラはトリフォニーを拠点に活動する新日本フィルです。


最初はシューマンのコンチェルトから。
オケを受けて衝撃的に始まるこの曲、
さすがチッコリーニ氏は深く強い和音でぐっとつかみます。
オーボエからピアノに主題が引き継がれますが
氏が奏でる美しい旋律線と立体感、陰影に引き込まれます。
オーケストラと絡むアルペジオもなんて美しい!
クラリネットとの柔らかい対話もカンタービレで
心にしみこみます。
オケとの対話、絡み方がとても絶妙。
そして素晴らしいチッコリーニ氏のカデンツァ!
トリルの音色の変化の見事なこと!

2楽章はインテルメッツォで柔らかい光を感じる楽章。
美しく柔らかいラインでチッコリーニ氏に歌われると
シューマンのクララとの幸せな思いがリアルに伝わって
なんとも幸せでじんわりこみ上げてくるものがありました。

切れ目なく続く3楽章はピアノとオケの情熱的なかけあい。
チッコリーニ氏のピアノには一人オーケストラのような多彩な
華やかさがあります。
同時に何色もの音色を弾き分けるからなのですね。
熱狂的なメロディーの歌い方、巻き方も素晴らしい!
そして興奮するクライマックス!

シューマンの熱と内省的な部分とが絶妙なタッチとフレージングで
弾かれた名演でした。


休憩後はシベリウスの交響詩をはさんでラフマニノフの2番。


冒頭部分からやられてしまいました。
あの序奏のラインのなんと美しいこと!!!
ズンと響くあの低音はなんなのでしょう!
各音の色といい・・・見事すぎる幕開けです。
輝く音と素晴らしいフレージング。
ラフマニノフの音、鐘の音、そして歌のフレージングに
リリコ・スピントであるという氏の輝く音はぴったり。
音は深く、そして高く抜けていきます。
ベルカントの美しいラインは感動を大きく深く呼び起こします。


オーケストラを伴奏するんだよ、とチッコリーニ氏は最近発売された
本の中で語っておられますがまさに、比類なきアンサンブル能力です。

ラフマニノフのテンポに何か感じた方がいらっしゃるでしょうけれど
普通だったら停滞してしまうところもさすが!
ピアノからオーケストラへ、そしてオーケストラからピアノへと
移りいくときの絶妙な巻き緩めが超人的。
違和感がないようにつなげてオケのテンポに戻して
あげられるのですね。

指揮者の方がもう少し呼吸を読める方だとよかったですが・・・ 点もわかりにくいし・・・

それだけに氏の類まれな技も聴くことができました。
器の大きさにも感動。

2楽章は美しい緩徐楽章です。
チッコリーニ氏が大切にしているベルカントが存分に聴けます。
息の長い美しいフレーズは心を満たしてくれます。

3楽章はヴィルトゥオーゾ的なところがたくさんありますが
どんな技巧的なところでもそのフレージングや和音に
あわせた音色の変化の素晴らしさ。
いろいろな音色、タッチや奏法、フレージングの閉じ方を聴かされて
感動と驚きの連続でした。
はあ、何種類あるんでしょう・・・。
もう、すごすぎます!
こんなにすごいラフマニノフはありません。
感涙! 大感動です!!!


アンコールはラフマニノフの3楽章から。
今度はオケの点もぴったりと合っていました。
最後まで輝く音とカンタービレで魅了。
ああ、ずっとずっと聴いていたい・・・。


素晴らしい演奏でした!!!
生涯忘れない一夜になります。
来日に心から感謝です。


探求を続けるマエストロの名演に
大喝采!!!

Bravo!!!!!




これで最後なんて寂しいです。

こんな素晴らしいピアニストは歴史上にもほとんどいないです・・・。
何度でも聴きたい!

マエストロ、いつまでもお元気で。
ぜひ、また日本にいらしてください。


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。