3つの新しい練習曲第1番へ短調♪ [Musique♪]
ショパンの練習曲作品10、25に入る前に弾いておきたいのが
この3つの新しい練習曲。
(作曲された時代としては逆になりますが)
モシュレスとフェティスが編纂した「Methode des Methodes」のために
作曲され、1840年に出版されました。
その後、「3つの新しい練習曲」として作品番号なしに出版されています。
作品10や25と比較されたため評価はいろいろ分かれた作品ですが
作品25からしばらくたって作られただけあってショパンの円熟した
音楽とその真髄がギュッとつまった佳曲です。
テクニカルが前面にでてしまうオクターヴや3度、6度などだと
弾くことに一生懸命になって美しい音楽の構築や揺らぎが
なくなってしまうことも多いもの。
どんなフレーズでもショパンはショパン。
技術面では比較的平易なこの3つの新しい練習曲で
ショパンの様式を学んでから作品10や25に入った方が分かりやすいと
思います。
第1番はヘ短調で2分の2拍子。
右手のベルカントな旋律に誘われて左手が現れる序奏をへて
右手に物憂げな旋律主題が流れ始めます。
ベルカントの様式美と構築を学ぶのにぴったりな作品。
音楽的な演奏をしたいのなら某練習曲の数をこなすより
こういう1曲を究めたほうが実力になります。
この1曲を弾き込むことによって技術も驚くほど向上するはずです。
技術の向上は音楽にあるということを実感できるのではないでしょうか。
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