1950・9・16 ブザンソンリサイタル♪ [CD♪]
ブザンソンでおこなわれたリパッティの最後のリサイタルが
1950年の9月16日でした。
白血病のためこの数ヶ月後には世を去ったリパッティ。
命と体力の限界を超えて愛を伝えてくれました。
主治医が直前まで思いとどまらせようとした演奏会。
でもリパッティは約束を破りたくないという一心でした。
リパッティにとって演奏会は音楽に対する愛の誓い。
ピアノで喜びを伝え、分かち合いたかったリパッティ。
音楽を通して人々に愛を与えたいという真摯で純粋な
思いだけだったのです。
ブザンソンについてから症状はさらに悪化。
元気付けの注射を何本も打たれ、服を着替えされてもらい
息をつけないほど衰弱した状態で演奏会場へ。
着替えることさえおぼつかない、
階段も登ることさえ失神寸前だったという状態での演奏会。
各地から集まったたくさんの聴衆が爆発的な大喝采で迎えました。
本人も死期を悟り、恐らく聴衆も分かっていたのでしょう。
これが天才の最後の演奏会。
まさに訣別の演奏会となりました。
~プログラム~
バッハのパルティータ第1番 変ロ長調
モーツアルトのソナタ第8番 k.310 イ短調
シューベルトの即興曲 D899-3、2
ショパンのワルツ
歩くのさえままならない状態で演奏したとは信じられないブザンソンの演奏会。
確かにリパッティらしからぬミスタッチはあります。
でも、そんなことは問題ではないのです。
生命の限界という状態で奏でられる演奏には愛が溢れています。
最後に予定していたワルツの2番が弾けなかったリパッティ。
それも「ショパンでさえそれをゆるしてくれたでしょう」
妻・マドレーヌは語っていますが本当にその通りだと思います。
ショパンはリパッティに弾いてもらって幸せだったのではないかしら。
リパッティの弾くショパンのワルツは幸福感に包まれます。
それでもリパッティは息を切らせながらバッハのコラールを弾いたそうです。
リパッティにとって祈りそのものだったバッハ。
どんな思いで最後に演奏したのでしょう。
息を切らせながら最後にバッハのコラールを弾いたリパッティ。
録音は残っていませんが祈りそのものだったでしょう。
音楽が愛だということを教えてくれるリパッティ。
リパッティの演奏は人類の宝物です。
真摯な態度で音楽に敬虔な念を捧げ続けたリパッティ。
その音楽は人類の宝。
いつまでも聴かれていくことを祈りつつ・・・。
この感動的な演奏会は幸運にも録音が残っています。
音楽を愛している方にはぜひ一度聴いていただきたいです。
ちょっと熱が出たり、疲れたりすると「今日はピアノ弾くの休もうかな・・・」なんて言ってしまう自分自身が恥ずかしくなりました。
by タマンサ (2006-09-16 10:55)
この時のリパッティの状態を知らなくても伝わってくる
感動は本物です!
私がどうしても頑張れないときに思うのがリパッティなんです。
その音楽や姿勢、生き方は勇気をくれます。
いつまでも音楽に真摯に、謙虚にいたいですよね。
by fujika-piano (2006-09-17 23:16)
こんにちは、初めまして。ブログのタイトル「今日の音色♪」に魅かれて訪問させていただきました。
素敵なCDをお持ちなんですね。私はハスキルが大好きなのですが、リパッティもぜひ聴いてみたいと思います。また訪問させていただきますね(^^)
by はちみつ (2006-09-18 02:59)
はちみつさん、はじめまして。
ご訪問&ナイスありがとうございます。
はちみつさんはハスキルがお好きなんですね。
私もハスキルは好きです(^^)
ハスキルとリパッティは仲のよい友人同士だったんですよ。
リパッティもよかったら聴いてみてくださいね。
by fujika-piano (2006-09-18 23:20)